ソフトバンク武田翔太投手(25)が手作り練習道具で来季先発復帰を勝ち取る。この日から宮崎秋季キャンプに合流。踏み台や平均台を使い、7月から取り組んでいる低めへの制球を意識したフォームを固めていく。

大竹と2人で踏み台を使い、長い棒を振り回した。踏み台や、平均台の上からネットスローをして、感覚を染みこませた。「7年間やってきた投げ方を変えたので1年目。まだ3カ月くらい。球を(実際に)投げるのは感覚を研ぎ澄ますため10球くらい」と話す。

今季は先発で成績を出せなかったが2軍でヒントをつかんだ。中継ぎ転向もプラスとなり、球速、制球もアップ。第2先発として日本シリーズでは4連投するなど欠かせない存在として下克上日本一に貢献した。だが「先発がしたい」と来季は再び先発復帰を目指す。

もともとひとつしかなかった踏み台、平均台を、手先の器用な武田が日曜大工で複製。踏み台裏に板を2枚入れ補強するなど進化させた。ホームセンターで材料を買い、その場で作り上げた。「隣で作業していたおじさんから、ホークスの武田君じゃない? こんなところで何してるの?って、不思議そうに声をかけられました。なかなかうまくできましたよ。踏み台2個で30分くらいかな」と笑った。

発案者の久保2軍投手コーチも武田の作品に「うまいね。最高」と驚くばかり。武田は「自宅にもありますよ。(木製の)マウンドも」と話し、オフの期間も休まず自宅でフォーム固めを続けるつもりだ。【石橋隆雄】