若き主砲に待望の1発だ! 「2018 日米野球」の第5戦、岡本和真内野手(22)が初本塁打を放った。2点を追う2回、反撃の豪快弾をバックスクリーンへ。今春のキャンプで指導を受けた松井秀喜氏の前で、成長した姿を披露した。日本は連夜の逆転勝利で対戦成績を4勝1敗とし、勝ち越しを決めた。優勝チームには賞金4000万円が与えられる。

「ベイビー」だった男がたくましい足取りでダイヤモンドを1周した。岡本が日米野球で初本塁打を放った。2回無死走者なし、ゲラの外角高め142キロ直球を捉えると、打球はバックスクリーンへ一直線。広いナゴヤドームのど真ん中を縦断する特大のソロをかっ飛ばした。「無理に引っ張るのでなく、逆らわずに打てました」と納得の表情でうなずいた。

大きくなった姿を、MLB選抜の恩師たちに見せつけた。三塁手のヘルナンデスは、16年オフに武者修行したプエルトリコでのチームメート。当時「ベイビー」と声をかけられ、打席での心構えや野球論を聞き入った。一塁ベースコーチは今年の春季キャンプで指導を受けた松井秀喜氏。一塁守備につくと「ナイスバッティング」と声をかけられ、「目の前にして打つことが出来て、素直にうれしい」と頬を緩めた。

侍としての誇りを胸に秘める。シリーズ開幕から11打席連続無安打。11日の3戦目、12打席目で初安打が出たが、前日13日にはスタメン落ち。それでも「これも経験になる」と悔しさを隠し、笑顔を絶やさなかった。代表集合前、WBCなどの国際大会を動画サイトで研究。「命が取られるんじゃないかというほどの緊張感がある」と痛切に感じた。国の威信をかけた20年東京オリンピック(五輪)はもっと大きな重圧がかかる。その前段階で、下を向いている時間はないと刻み込んでいた。

今日15日の最終戦では4番を任される可能性も浮上した。描いた成長曲線の先に、日本の主砲の座が待っている。【島根純】