楽天ドラフト5位の144キロ左腕・佐藤智輝(18=山形中央)が、でっかく目標を沢村賞に定めた。19日、山形市内のホテルで契約交渉を行い、契約金3000万円、年俸600万円(金額は推定)で契約合意。「左投手として球界を代表する選手になりたい。沢村賞を目標にして、チームの日本一に貢献できるような投手に」と意気込んだ。

最も優れた先発完投型の本格派に授与される偉大なタイトル。契約会見でいきなり宣言する度胸は本物だ。長島哲郎スカウト部長(59)は「やる気満々なのが伝わってきた。うちにはこの年代の左投手はいない。体幹も強いし腕の振りも強い。もう少しプロで鍛えたらやってくれる。地元は山形だし、どうしても欲しかった選手。期待値は高いです」と太鼓判を押した。

先輩プロの活躍が自信の源となっている。今季、同校OBの日本ハム石川直也投手(22)が4年目で19セーブをマーク。「地道にコツコツとやってきた選手が、プロで活躍できると感じた」と刺激を受ける。

楽天は佐藤を最後に、育成を含め全10選手の入団が決まった。22日には仙台で新入団選手発表会見に臨む。佐藤は目標のビッグタイトルへ、まずは足場を固めたい。「まずはチームの勝利に貢献したい。早く1軍で投げたい気持ちはあるが、今の球威や精度ではまだそのレベルじゃない。走り込みを重視して、下半身を強化していきたい」と、土台作りから第1歩を踏み出していく。【下田雄一】