福留、糸井を脅かせ!阪神矢野燿大監督(49)は19日、来季の野手レギュラー争いが白紙に近い状態であることを明かした。圧倒的な実績を誇る左翼福留、右翼糸井についても、最有力候補とした上で「競争の形がチームにとってもベテランのみんなにとっても刺激になる」と表現。先発ローテ争いも守護神争いも、そしてスタメン争いも競争激化を期待する。

矢野監督は19年シーズンを思い描き、声を弾ませた。「来年のスタメン、予想してよ! 誰が当たるか。オレも分からない」。前日18日に高知秋季キャンプを打ち上げ。激しさを増すポジション争いを目の当たりにし、野手陣のレギュラー争いも白紙に近いことを匂わせた。圧倒的な実績を誇る福留、糸井でさえ、現時点で100%確約とはいかない情勢だ。

「(開幕投手候補の)ランディ(メッセンジャー)もそうだけど、(福留、糸井は)最有力というか。持っているモノと結果があれだけすごい数字を残してきたんやから、それは認めるし尊重する。一番(スタメンに)近いところにはいるのは間違いない。でも、理想は競争の形がチームにとってもベテランのみんなにとっても刺激になる。今は決めない方がいいなと思う。嘉男(糸井)、孝介(福留)にしてもね」

福留は来年4月で42歳になる。糸井は9月下旬に「左肩腱板(けんばん)の部分損傷」を抱えた。だからレギュラー白紙、というわけではない。指揮官は糸井の状態を問われると「鉄人だよ。すごいよ。大丈夫や」と力を込めた。指揮官の2人への信頼はもちろん揺るぎない。ただ、2人の座を脅かす存在が現れれば、間違いなくチーム力の底上げにつながる、という狙いがありそうだ。

二塁は上本、糸原のバトルが熱い。新監督は「面白いやろ、その争いも。すごいよ」と胸を躍らせる。中堅争いも中谷、高山らにドラフト1位近本まで加わり、先が読めない。「三塁だって(オフに右肘を手術した)陽川は多分、来年のキャンプくらいには投げている予定だから。外野もすごい。近本も入ってくるし」と目を輝かせる。「来年の競争が本当に楽しみ。めっちゃ楽しみ」。19年、虎に聖域はない。