今季限りで現役を引退した松井稼頭央2軍監督(43)が23日、ファン感謝デーで引退スピーチを行った。

「まず始めに、本日はこのような引退セレモニーの舞台を用意していただき、埼玉西武ライオンズの関係者の皆様、本当にありがとうございます。

優勝パレードから寒い中、ファンの皆様、残っていただき、本当にありがとうございます。

1993年、西武ライオンズにドラフト3位で入団し、西武ライオンズで10年、アメリカで7年、東北楽天ゴールデンイーグルスで7年、そして埼玉西武ライオンズで1年、計25年間の長きにわたりプレーさせていただきました。僕1人の力ではできません。これまで指導していただいた監督、コーチ、スタッフの皆様、よき先輩に巡り合い、よき後輩に巡り合い、その出会いが僕の財産です。

今年15年ぶりに西武ライオンズから声をかけていただき、またこのユニホームに袖を通すことができ、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。ファンの皆さまには15年ぶりに帰ってきたにもかかわらず、温かく受け入れていただき、本当に、本当にありがとうございました。

今年ファンの皆様の前で、このメットライフドームでプレーができ、オープン戦の時の歓声、代走で出た時の歓声、シーズン最後の打席での歓声、これから先も忘れることはありません。本当に、本当に熱い声援、ありがとうございました。

今年は優勝という、やめる年に素晴らしい花道を飾っていただいたこと。辻監督を始め、コーチ、スタッフ、裏方の皆様、そして選手と一緒にやれたこの1年でした。ファンの皆様に背中を押していただき、最後の1年が最高の1年になりました。

来シーズンは2軍監督として、またこのユニホームに袖を通すことができ、本当に感謝しています。自分が生まれ育った場所で、次は選手としてでなく、監督として1人でも多く若い選手を1軍に送り込めるよう、この1軍の厳しい競争の中に放り込めるよう、スタッフ、コーチと頑張っていきたいと思います。来季はファンの皆様は第2球場にも足を運んでいただき、若い選手に温かい声援を送って下さい。

本日、優勝パレードで、ライオンズで初めてのパレードです。ありがとう、お疲れさま、これからも頑張って下さいという言葉をいただきました。逆に、僕がファンの皆様にありがとうと言いたいです。このユニホームを着て、ファンの皆様の前で野球が出来ました。本当に最高の野球人生だと思います。

家族は良い時も悪い時も寄り添ってくれました。妻には感謝しています。ありがとう。2人の子どもたちには何もしてあげられなかった時間でした。次は自分がしっかり背中を押し、子供の背中を見守っていきたいと思います。

最後になりますが、野球という素晴らしいスポーツに出会えたことに感謝し、ライオンズファンの皆様、アメリカで応援していただいた皆様、東北楽天イーグルスで応援していただいたファンの皆様、本当に25年間、ありがとうございました」

帰り際には「緊張した。今日、乾燥してたでしょ」と、おどけた。引退セレモニーでは、ヤンキース田中、ロッテ福浦らからのビデオメッセージも流され、応援団による応援歌も演奏された。「ファンに思いを自分の口から、この球場で伝えられてよかった。最後の最後でね。最高の引退でした」と感慨深げだった。