矢野阪神は「日本一スローガン」にあやかる。阪神は23日、甲子園でファン感謝デーを催し、矢野燿大監督(49)が来季のスローガン「ぶち破れ! オレがヤル」を発表した。指揮官自身が「オレがヤル」を発案した。偶然にも14年に日本一に輝いたソフトバンクが同様のフレーズを用いていたが「縁起もいい」と歓迎だ。今季は17年ぶりの最下位に沈んだが、新たな旗印を掲げて来季へと向かう。

注目の来季スローガン発表で、まずは「必死のパッチ」とバックスクリーンに大写しになるボケをかました。矢野監督も「僕もこのフレーズはかなり使い古した」などと笑わせた後、表情をキリリと引き締める。本気フレーズの「ぶち破れ! オレがヤル」を初披露。躍動感ある筆字が勇ましさをかき立てる。矢野阪神が進むべき方針だろう。

指揮官のこだわりが詰まるのは「オレがヤル」だ。自ら打ち合わせで熱望。担当者に「ソフトバンクが使っていましたよ」と指摘されると「エッ、マジで? ウッソー」と驚いた。だが調べてみると14年に「俺がやる。」をスローガンに掲げたソフトバンクはリーグ優勝。日本シリーズもまさに阪神を破って日本一に輝いていた。指揮官は「優勝した年に使っていたと言うから、縁起もいいからええんちゃうんってなって」と明かす。虎は“鷹の威”を借りて、逆襲を目指す。

前のめりに戦える勝負ワードだ。指揮官はファン感謝デーに訪れた虎党に説明。「バッターならチャンスの場面でオレがやってやると思ってもらいたいですし、ピッチャーもピンチの場面でオレが抑えてやると思ってもらいたい。もちろん、僕らもそういう思いで1年間やっていきます。ファンの方たちも『オレの応援で勝たせてやる』とか『私の応援でこのピンチを乗り切らせてやる』とか、一緒に思ってもらえればうれしい」。現場とファンを一体化させたい思いが強い。

今季は17年ぶり最下位で屈辱にまみれた。「みんなで何かを共有したかった。俺らだけでも、良くないなと。チーム全員、ファンの人も一緒にみんなでってなったときに『オレがヤル』と。人によって、ぶち破るものは違う。大きな枠でそういうメンタル、気持ちを持っていくのがメイン」。来季は攻撃的に「オレがオレが」の姿勢で戦う。矢野阪神よ、難局をぶち破ってやれ!!【酒井俊作】