矢野、後は頼んだ-。阪神前監督の金本知憲氏(50)が23日、東京都内で「名球会総会」に出席し、矢野阪神にエールを送った。

盟友とは自身が電撃辞任した直後の10月、2人だけで思いを伝え合った。現チームへの期待を問われると「そりゃあ、もちろん!」と熱い口調に。「矢野の方針があるから」と配慮した上で「ある程度、野球観や方向性は同じ考えを持ってやってきたと思っている。オレがコーチを手伝ってくれと頼んだ人間だし、チームとしても成績を残してほしい」と力を込めた。

今季までの3年間、特に若虎の育成に尽力した。「オレは何も作っていないよ。自前で作っていくことに取り組んだだけだから」。そう照れくさそうに苦笑いしたが、教え子たちの動向は「やっぱり気になる」と言う。「特に自分がずっと付いてきた野手は気になるね。大山とか高山とか北條とか中谷か。糸原は何も教えんでもできたけど」。

もちろん、4人だけではない。「目をかけた選手はいっぱいいるし、江越とか横田とか言い出したらキリがないけど…。3年間やってきたことを生かしてほしい。やっぱり手がかかったり目をかけた選手には頑張ってほしいもんよ。わが子のような思いですよ」。最後まで柔らかな表情で矢野阪神、そして若虎たちの成功を願った。【佐井陽介】