阪神にWストッパー構想が浮上した。金村投手コーチが28日、「それに近い考え方もあるよね」と明かした。今季はドリスが守護神を務めたが、オフに入って藤川が守護神を目指すことを公言。同コーチは「そう言ってくれるのはありがたいし頼もしい。今年の球児の球を見ていたら、十分任せたいと思う球を投げている」とうなずいた。

守護神においても、もちろん競争の位置づけは変わらない。オープン戦終盤まで最善の形を探していくことになる。ただ誰が守護神の座に納まるとしても、Wストッパーの構想はオプションとして重要になる。同コーチは個別のパターンにも言及。来季39歳の藤川に託した場合について「年齢的なところもあるし、柔軟に。責任感も強いから投げたいと思うけど、そこはうまく使ってあげたいと思う」と話した。連投が続けば、一時的に代役を立てる構想だ。

ドリスに託した場合でも、この構想が柔軟な起用につながる。今季ドリスが喫した7敗のうち、同点で登板しての敗戦が6敗。同点で9回になった場合、後攻なら延長戦をにらんで守護神からつぎ込むのが定石だが「セオリーを崩してもいい」ときっぱり。試合展開次第で経験豊富な藤川を“抑え”として起用出来れば、中継ぎで落とす試合も少なく出来るというわけだ。来季の抑えは藤川か、ドリスか、はたまた別の誰かか。いずれにしても柔軟な発想で、取りこぼしなく白星を運ぶ。【池本泰尚】