社会人野球を統括する日本野球連盟は、米大リーグ・ダイヤモンドバックスとマイナー契約を交わしたパナソニック・吉川峻平投手(23)が、契約時の規定違反で「永久追放処分」を受けたことで、大リーグ球団との接触ルールの徹底を求める通達を加盟全チームに出したことが13日、分かった。大リーグは12年から「海外アマ選手登録制度」を導入。日本高野連も注意喚起を行うなど、日本のプロ野球を経ずに大リーグに挑戦する“直メジャー”は転換期を迎えている。

<解説>

「海外アマ選手獲得制度」は、95年9月1日以降に生まれた選手が対象になる。高校からメジャーを目指した花巻東(岩手)時代の西武菊池、エンゼルス大谷は94年以前の生まれで対象外。社会人2年目で、ドラフト解禁年だった吉川も95年1月生まれで事前登録の必要がなかった。来年からは社会人2年目の選手も95年生まれに入り、ドラフト候補選手は、ほぼ全員が登録対象となる。

(1)高校、大学生が“直メジャー”を目指す場合 導入前より、およそ1シーズン遅れる。高校3年の年に事前登録は不可能なため、卒業後の翌年5月15日を待つことに。当然2月のキャンプも参加できない。契約可能になるのはシーズン終盤戦に入る7月2日から。大学生も同様になる。

(2)社会人が“直メジャー”を目指す場合 シーズンオフなどに退社し、登録抹消して5月15日を待つ。

来年の高校生ドラフト候補は、大船渡(岩手)佐々木朗希投手、星稜(石川)奥川恭伸投手、創志学園(岡山)西純矢投手(いずれも2年)ら好選手がそろう。各選手が大リーグ希望を表明しているわけではないが“直メジャー”へのハードルは高くなっている。

◆田沢ルール ドラフト対象のアマチュア選手が国内球団を経由せずに海外でプレーした場合、その選手が帰国しても高校出身選手は3年、大学・社会人出身選手は2年、ドラフト指名が凍結される。08年に田沢がレッドソックス入りしたのをきっかけに制限が設けられたため、通称として呼ばれる。