ソフトバンク石川柊太投手(26)が、出来高として「便利屋査定」をゲットした。19日、ヤフオクドーム内で契約交渉を行い、今季年俸3000万円から倍増の6000万円プラス出来高でサインした。

今季は先発、中継ぎとしてフル回転し、42試合に登板。チームトップタイの13勝を挙げた。最後は日本シリーズで右肘を痛め離脱したが、開幕から1軍を外れることなく先発で7勝、中継ぎでは6勝。調整登板などで離脱せず、チームを支えた部分は数字では表せない貢献度だった。

「両方できるのが僕の強み。チームの隙間を埋められる」。投球回数は千賀、バンデンハークに続くチーム3位の127回1/3を投げている。球団内には8000万円くらいの価値があるという評価の声もあった。専任と比べると残せる数字は伸びない。今後、石川のような便利屋タイプの選手の評価を高めるためにも、約2時間のロング交渉でじっくりと話し合った。

石川の方から出来高を提案。球団も納得し、投球回や試合数など、両刀でも、先発、中継ぎ専念でもクリアできる出来高をつけることに成功した。これまで球団では複数年契約の選手や大幅ダウンの選手の救済などで出来高をつけていたが、異例の措置となった。三笠球団統括本部本部長は「FA権利を持っていない中では特例。先発、中継ぎでフル回転というケースはあまり多くない」と説明。分業制の中で、新たな評価の仕方となった。

大幅昇給で新車を買おうとしたが、自宅の駐車場に納まらず、しばらくは愛車はプリウスのまま。痛めた右肘の回復も順調。来季も「全力で」フル回転する。【石橋隆雄】(金額は推定)