日本ハムは2018年で北海道移転15年。過去の名場面、珍場面を、当時の紙面とともに振り返ります。

来季から兼任コーチとなる鶴岡が“お祭り”の主役だった。プロ3年目。まだ1軍出場も果たしていない24歳のときだった。故郷・鹿児島に近い宮崎で行われたフレッシュ球宴。中日長峰から2回に左翼席へ先制ソロを放つと、2打席目の4回には左中間を破る二塁打。「ミラクルです。記憶にないくらい飛んでくれました」。MVPを獲得し、賞金100万円をゲットした。大物ルーキー・ダルビッシュが注目された一戦だったが、終わってみれば「女房役」が主役を張っていた。

イチロー(マリナーズ)や青木(ヤクルト)ら、のちのメジャーリーガーも受賞しているフレッシュ球宴のMVP。日本ハムでも、鶴岡の4年後、中田が地元・札幌ドームで行われた一戦で100万円をゲットし「(運を)持ってます」と笑った。

37歳となったいまでも、打撃、インサイドワークで進化を続ける鶴岡。それに加え、来季からはコーチの肩書でこれまで以上に若手の育成にも携わることになる。フレッシュ球宴とは言わず、1軍の球宴でMVPを獲得するような、技術、人柄に秀でた選手を育ててくれるだろう。