金の卵に英才教育が施される。日本ハムのドラフト1位、金足農・吉田輝星投手(17)が来春キャンプで2軍スタートが濃厚なことが28日、分かった。抜群の素材を超一流へ磨き上げるため、過去の高卒新人投手と同様の措置が取られる見通し。今夏の聖地を沸かせた平成最後の甲子園ヒーローも、メジャーへ羽ばたいたカブスのダルビッシュ有投手(32)エンゼルス大谷翔平投手(24)と同じ道を歩む。

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吉田輝が“ダル&大谷ロード”で大エースへの1歩を踏み出す。2月の春季キャンプは2軍の沖縄・国頭で始動することが濃厚だ。栗山監督は秋季キャンプ中に「いろいろなことを考えて決めたい」と思案していた。実力的には1軍レベルの評価だが、まだ17歳。1月9日から始まる新人合同自主トレの動きやチーム状況も考慮して最終判断されるが、豊かな才能を伸ばすために故障しない体づくりを最優先させる方針となりそうだ。

育成に定評のある球団には、実績がある。04年の北海道移転後、高卒新人投手がキャンプ1軍スタートした例はない。05年新人のダルビッシュは右膝関節炎の影響もあり、2軍スタートを切った。13年新人の大谷も当時は成長期で、投打二刀流の取り組みが肉体へ及ぼす負担やオーバーペースを防ぐために、同様の措置が取られた。今季11勝の上沢や12年のMVPで現巨人の吉川光も、新人時代は2軍スタートだった。

先輩たちは結果で証明している。ダルビッシュは1年目の6月、大谷は5月に1軍でプロ初先発登板を果たした。自分のペースで調整ができる2軍スタートは、1軍で活躍するための近道とも言える。栗山監督は、今夏の甲子園で躍動した吉田輝について「意外と早熟系なのかな」との印象を持つ。早い段階で1軍戦力となる可能性が高いからこそ、過去の前例にならって吉田輝にも2軍から英才教育を施していく。