ソフトバンク甲斐拓也捕手(26)の強肩が日本一を呼び込んだ。日本シリーズ6試合で盗塁刺6を記録した。阻止率10割。「甲斐キャノン」が広島の足を封じMVPを手中にした。あのカメラ(キヤノン)のCMが浮かぶ。「make it possible with canon」。

シーズンの阻止率はリーグ1位の4割4分7厘だった。企図数76で盗塁刺34。9月17日の西武戦では1試合4盗塁刺を記録した。2回に金子侑、秋山を。3回に源田、6回には再び金子侑を刺した。俊足トリオを串刺し。甲斐に肩あり、相手は形なし。このあとの相手チームは走れない。6試合連続で企図数0。刺し続けた甲斐があった?

過去の阻止率を見ると、古田敦也(ヤクルト)が群を抜いている。4割を超えれば一流といわれるが、これを入団から13年連続して続けた。93年の6割4分4厘(企図数45、盗塁刺29)が最高阻止率として残る。00年にも6割3分(企図数73、盗塁刺46)の高率を記録した。「古田(古き?)よき時代」だった。

甲斐の4割超えは、今年が初めてになる。さて、どこまで続けられるか。18年を第1歩に、甲斐時代を築きたい。「これから新時代を開拓や(甲斐拓也?)」である。【米谷輝昭】