オリックス西村徳文監督(58)が、今季ヤクルトを退団した成瀬善久投手(33)の復活を期待した。入団テストとして、2月1日の宮崎キャンプ初日から第2クールまでの期間での参加が決まっている。成瀬はロッテ監督時代にエースとして君臨。10年には13勝を挙げる活躍をみせ、球界史上初となるリーグ3位からの下克上日本一に貢献した。「(ヤクルトでは)なかなか結果は出てないんだけども、自分としては実績と経験というところを買いたい」と入団前から厚い信頼を寄せた。

チームの先発2枚看板が抜けた今、成瀬の経験値をチームに落とし込む狙いがある。長年エースとしてチームを引っ張ってきた金子が日本ハムへ、ローテの柱だった西が阪神へ移籍。西村監督は「2人が抜けたところをどういう風にカバーしていかないといけないかという時に、そういう(テスト)発想になった。全ての面において若手の手本になってもらわないといけない」と話した。

成瀬は07年には16勝1敗、防御率1・82で最優秀投手(最高勝率)、最優秀防御率のタイトルを獲得。その後も4年連続2桁勝利を達成するなど、球界を代表する左腕となった。15年にFAでヤクルトに移籍。その後の3年間では6勝11敗と振るわず。今季は故障で出遅れ、1軍戦の出場はなかった。西村監督は「当時の球のキレとかそこまでは求めてない。それに近いものを出してくれれば。年齢的にも老け込む年でもないしね」と教え子の再起を待ち望んだ。【古財稜明】