最終打席は、左前打だった。今季限りで現役生活にピリオドを打った西武の松井稼頭央外野手(43)だ。10月6日、ヤフオクドームのソフトバンク戦だった。8回に代打で登場すると、寺原の直球を流し打った。日米通算で2705本目。「すごい数を(稼頭央?)打ったんだねえ」。

初打席も左前打だった。入団2年目の95年4月9日だ。日本ハム戦に代走で途中出場し、8回に芝草から左前打した。初打席初安打に初打点1までついた。初3つをそろえ「初を取りっく(ハットトリック?)」と言いたいぐらいだ。メッツに移ったメジャーデビュー(ブレーブス戦)は04年4月6日、初打席で初球を初本塁打した。

初でいえば、スイッチ打者初のトリプルスリーもある。02年に打率3割3分2厘、36本塁打、33盗塁の数字を残した。PL学園時代は投手。プロ入り後、スイッチに挑戦し、9年目の達成だった。年末に目立つイルミネーションが浮かぶ。「スイッチをオンにしたら光り輝いたんです」。

来季からは2軍監督として若手育成に取り組む。若き日の松井を思い出させるような新戦力が現れるだろうか。そのときは「松井2世」でなく「似とる(リトル?)松井」と言ってやろう。【米谷輝昭】