昨季新人王の楽天田中和基外野手(24)が7日、仙台市内で自主トレを公開した。「外野の3つという枠を考えず、打順も絞って、『1番センター』というポジションを全力で取りにいきたい。最低限の目標はシーズン143試合、全て出ること」。定着した立場に甘んじることなく、もう1度奪い取る決意をにじませた。

昨季は18本塁打、21盗塁。左右両打席からのパンチ力とスピードを発揮した。25本塁打、25盗塁を目標に掲げ、特に「他のチームから、ホームランが怖いバッターと思われたい」と長打にフォーカスする。昨季三振率2割1分7厘は規定打席に到達した選手ではリーグ3番目、日本人選手では最も高かった。「僕は三振がとても多い。1番打者としては良くないことだと思うけど、当てにいくよりは、振った方が相手バッテリーにはプレッシャーがかかるのかな、と」。課題を自覚しつつ、強打に磨きをかける覚悟だ。

新戦力のポイントゲッターを踏まえ、自らの役割を思い描いた末の思考でもある。「おそらく3番か4番に浅村さんが入る。極力、浅村さんの打席の時に塁にいたいと考えているので」。打撃で脅威を与えることができれば四球も増え、出塁率を上げることができる。「長打が打てて、そして塁に出たら盗塁ができる、そういう1番を目指して頑張っていきたい」と繰り返した。

鍵として挙げたのは右打席の対応。「どうしても、ポイントがすごく前になるのが悩み。右で広角に打てるように。しっかり引きつけて打ちたい」と話す。その点、浅村は最高の教材にもなる。「僕は大学の時から、取材とかでも右打者だったら、浅村さんがカッコイイと思って名前を挙げていた。聞くとかおこがましいですけど、見て、いろんなことを勉強したい。レフトの打球とライトの打球が、ほぼ変わらない。ヤバイですよね。生で見たい」と対面を心待ちにしていた。