殿堂入り通知式に参加した立浪和義氏は「10年くらい頑張れればいいなと思ってプロに入りました。それが22年もやらせてもらって。あの巨人との『10・8決戦』では試合前の何とも言えない雰囲気や緊張感を経験できた。日本国民の方があれだけ注目する中で試合ができたのが自分の財産」と胸を張った。

その第1歩を踏み出させてくれたのが、かつて中日を率いた天国の“闘将”星野仙一氏。「1年目にいきなり使ってもらったのが一番大きかった」と感謝してもしきれない。ルーキー年に110試合に出場し、体力がないことを痛感。ケガで30試合の出場にとどまった2年目に体調管理を徹底し、128試合で打率3割3厘をマークした3年目につなげたという。

星野氏の第一印象について「よく怒るなあと思った」と笑った立浪氏。「でもみなさんお分かりだと思いますけど、ユニホームを着ている時は非常に厳しい方ですけど、普段はいろいろ気にかけていただいたり、思いやりのある優しい方でした」と懐かしんだ。

自身の今後について「もう1回ユニホームを着て戦いたい」と言い切った。13年WBCでは打撃コーチとして入閣「勝負の世界のなんともいえない緊張感。ずっとこういう生活をしているとまた戻りたくなる」。中日監督に就任する可能性について聞かれると「期待されている以上は必ずなんとかその期待に応えたいと思っている。自分で決められる問題ではないですが、そういう気持ちは持っています」と迷いなく話した。【千葉修宏】