【スコッツデール(米アリゾナ州)4日(日本時間5日)=木下大輔、田中彩友美】日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が、アリゾナでの「打席デビュー」へ向け、最高の刺激をもらった。昨年は右手親指の負傷で、実戦打席に立たないまま帰国。今年は9日(同10日)の紅白戦に出場する予定だが、キャンプ休日の3日(同4日)には、カブスのダルビッシュ宅を初訪問。会話や食事の取り方など、意識の高い超一流スタイルに感銘を受けた。

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バットを握る手には、自然と力が入った。強風吹き荒れた米アリゾナ。清宮が、伸びやかなスイングで柵越えを連発した。ケース打撃で「進塁打いきます」と宣言し、豪快なアーチ。近藤に「お前、やっぱすげえわ」と言われ、照れ笑いを浮かべた。「無理しないでって感じです」と、全開ではない中で、右手首炎症の不安を感じさせない、爽快な一撃を放ち続けた。

前日のキャンプ休日は、プライスレスな1日を過ごした。宮西に「去年、頑張った人」として、中田や堀らとともに声を掛けられ、ダルビッシュ宅を訪問。グラウンドで顔を合わせたことはあったが、家へ招かれたのは初めて。「スケールがデカい。ダルビッシュさんも大きかったし、家も大きかった」と圧倒された。 終始、緊張気味で過ごしたが、意識の高さには感銘を受けた。ダルビッシュはテーブルのピザなどには手を付けず、「魚とか鶏とか」(清宮)タンパク質がメインの食事を取っていたという。どんな時でも、自己管理を徹底するストイックさが印象的だった。

ダルビッシュからは昨季、デビューから5試合連続安打を放っていた時に「既に体が出来上がっている」と期待を寄せられていた。あらためて、「打つよね」と声をかけてもらい「褒めていただいてうれしかった」と感激した。

昨年はかなわなかったアリゾナでの「打席デビュー」へ、胸は高鳴る。チームの今季初実戦は9日(日本時間10日)の紅白戦(スコッツデール)で、清宮も順調にいけば出場予定。右手親指を負傷し昨年は立つことができなかった打席へ立つ。この日は外野守備の特守をこなし、精力的に汗を流した。日本球界、そしてメジャーでも活躍し続ける大先輩とのひとときを胸に、アリゾナの空へアーチを架ける。

◆清宮の1年目キャンプ 1月18日に右手親指を負傷し、右手母指基節骨骨挫傷と診断される。キャンプ前に一時、ティー打撃などを再開したが、2月1日からの米アリゾナキャンプでは打撃練習回避が続いた。実戦デビューとなった現地10日の韓国KT戦は、途中出場で一塁守備のみ。同日ティー打撃を再開し、2次キャンプ地の沖縄入り後の21日に初の屋外フリー打撃を実施した。実戦打席デビューは24日の中日とのオープン戦(北谷)だった。

◆ダルビッシュと日本ハムアリゾナキャンプ 米アリゾナでキャンプを開始した16年、当時レンジャーズに所属していたダルビッシュは、練習中のグランドを訪問した。その前夜には、中田、杉谷、上沢、白村、西川、鍵谷、有原らとともに、現エンゼルスの大谷もダルビッシュ宅を訪問していた。ダルビッシュは翌17年にも、球団幹部や栗山監督へあいさつに訪れている。