日本ハム栗山英樹監督は試合後、声が少しだけ上ずっていた。今季の実戦1号を含む3安打5打点と結果を残した清宮について「まあ、まあ、まあ…悪くはないかな。決して良くはないけど…少し前に進んでいるところがあるのかな」。

表情には出さないが、長距離砲らしい姿が見られてうれしそうだった。

20日の夜、指揮官が名護市内の宿舎内にある食事会場へ足を運ぶと、清宮も夕飯を食べていた。「どうなってんだよ、幸太郎」。その日の試合で5打数無安打に終わっていた若き大砲にハッパを掛けると、笑みを見せていたという。

栗山監督 若いとはいっても、試合に出て結果を残しにいくのは疲れが出る。けど、本当に今年頑張るのなら、疲れている中で結果を残せと選手にお願いしているわけだから。

栗山監督は清宮の可能性を誰よりも信じている。厳しい言葉は期待の裏返し。ゲキに応えた背番号21の姿に成長を感じていた。

<栗山監督の清宮評・辛口編>

「打たないとダメだろ。こんな、ゆっくりしている場合じゃないだろ。幸太郎の背中を押したつもり。痛いとか関係ない。やるんだ、と。打たないとダメだろ。後輩が入ってきて、先輩としての姿を見せないと」(1月19日、ニッポンハムグループ展示会で。右手首の違和感が回復してのフリー打撃再開を受け)

「気になることもあるんだけど、打っている感じとしては悪くないんだよ。やっぱり野球をやらなきゃダメでしょ。こんなにいいところまで来て」(1月30日、アリゾナ到着後フリー打撃を行う姿を見て)

「打者は、この時期初めて投手の球を見るから大変なのは分かるけど、幸太郎には文句が多いよね。どれだけ芯でつかまえた? みんなが思ってるより、本当にレベルが高いと思っているからこそ」(2月7日、斎藤とフリー打撃で対戦)

「ボールに入っていく感じは悪くない。でも芯に当たっていないよね。打てよ、4番だろ」(2月10日、今季初実戦となる紅白戦で宮台から詰まった中前打)