平成最後のオープン戦が日本のエースの激突で開幕する。今日23日の巨人-楽天戦(沖縄セルラースタジアム那覇)の先発は巨人が菅野智之投手(29)、楽天が則本昂大投手(28)。ともに今季初の実戦マウンドとなる。20年東京オリンピック(五輪)の出場を熱望する2人がどんな投球を披露するか。熱い投げ合いから、戦いの幕が上がる。

「則本さん、お先に失礼します!」。室内練習場に響いた声の主が菅野であることに気付くと、練習中だった則本昂は全力でダッシュした。「明日、よろしくお願いします!」と握手を交わし、健闘を誓い合った。

プロでは同期入団にあたる1歳上の菅野。対戦を熱望する形で「挑戦状」を送った。記事を見た菅野からすぐ連絡があり「『気合入れて頑張るわ』と。僕も『全力で頑張ります』と。そんなやりとりはありましたね」。シーズン最初の実戦登板。対巨人打線には「自分の今の変化球だったり制球に、どういう反応を示すか。打者に投げることで出てくる課題を確認したい」と調整段階ならではのテーマを掲げる。一方、対菅野はプライドをかけたぶつかり合いでもある。「オールスターを入れると(投げ合いは)4度。マッチアップは楽しみだし、大事にしたい。特別な1試合」と分かりやすく感情を込めた。

24年パリ五輪の追加種目候補から野球・ソフトボールが除外されたことを聞かれると「日本で行われる(東京)オリンピックに何としても出たい」。強い意欲を示してきた20年東京五輪への思いを重ねて口にした。2年連続6度目を狙う開幕投手について、平石監督は「24日に皆さんにお伝えします」と発表のタイミングを明示している。球界最高峰の投げ合いを通じて、大役を担うにふさわしいエースであることを、あらためて証明する。【亀山泰宏】