昨季に春夏連続甲子園出場を果たした聖光学院(福島)のリードオフマンコンビが、大学でのさらなる飛躍を誓った。「1番遊撃」田野孔誠(3年)は東都2部の青学大、「2番中堅」横堀航平(3年)は関甲新1部の上武大に進学する。

田野は14年秋を最後に2部低迷のチームを復活させる使命を担う。「1部に上がって互角に戦えるように、春からベンチに入って競争できるようにしたい。打てないと使ってもらえないので、夏以降は木製バットで振り込んできました」。細身の体が一回り大きくなるほどスイング量で鍛えてきた。自主練習の多い大学生活に備え、持ち味の守備力を含めた向上する術の研究を重ねている。

横堀は地元群馬で再出発する。上武大は昨秋を含めリーグ通算32度の優勝。13年には全日本選手権優勝の強豪だ。全国舞台では最高2勝に終わっただけに「大学日本一になりたい。打撃力を上げることももちろんですが、1年春から走塁の部分でもアピールしたい」と出場機会を狙う。

昨春センバツでは、東筑(福岡)との1回戦で2人の活躍が福島県勢初の開幕戦勝利に導いた。3-3で迎えた9回表1死一塁、田野のセーフティーバントで好機を広げ二、三塁。続く横堀のセーフティースクイズで勝ち越し。斎藤智也監督(55)からも「史上最高打線と言われるのは、2人がいろいろ出来て、塁に出てくれるから」と最上級の信頼感を寄せられていた。

大学の先でも、2人ともに社会人で野球を続けることを望んでいる。持ち前の俊足巧打と、聖光学院で学んだ人間力に、さらに磨きをかけて大学球界を駆け回るつもりだ。【鎌田直秀】

◆田野孔誠(たの・こうせい)2000年(平12)6月29日生まれ、新潟・燕市出身。野球は幼稚園年長から始め、小学時代は小中川バファローズでプレー。燕北中では三条シニアに所属して以降は遊撃一筋。右投げ右打ち。171センチ、70キロ。50メートル6秒2。家族は両親と妹。

◆横堀航平(よこぼり・こうへい)2000年(平12)5月30日、群馬・太田市生まれ。小2に宝泉リトルフェニックスで野球を始め、宝泉中では本庄ボーイズに所属。同時進行でサッカーや水泳も継続。右投げ右打ち。172センチ、73キロ。50メートル6秒2。家族は両親と姉、妹、祖母。