阪神北條史也内野手(24)が27日、宜野座キャンプのMVPをつかんだ。左肩亜脱臼から再起を期したキャンプ実戦は、26日の紅白戦で西から痛烈な左前打を放つなど21打数11安打で打率5割2分4厘。チーム首位打者の奮闘で復活をアピールした。矢野監督は「練習に取り組む姿勢とか、元気とか。結果も本当に素晴らしいものを見せてくれた。このキャンプで一番成長というか、しっかりしたものを見せてくれた」と絶賛した。

これで激しい遊撃争いも1歩リードだ。矢野監督は「現状はね、もちろん抜けているというか、上に来ていると思うよ」と明言。現時点では鳥谷以上の高評価で、3月29日の開幕ヤクルト戦の遊撃最有力と認めた。もちろんまだ約1カ月あり、北條はオープン戦でも結果を出し続けることを誓った。「ライバルより上にいかないと、試合に出られない。ライバルの人たちに結果で負けないように」。

昨年の悔しさが原動力だ。9月14日のヤクルト戦で三遊間の打球に飛び込んだ際に左肩を亜脱臼。無念の戦線離脱となった。そこから当時2軍監督だった矢野監督と二人三脚で復活を模索。「今年は開幕から最後まで出られるように」と燃える姿に、指揮官も頼もしげにうなずいた。「メンタル的にさらに成長していると思う。より試合に出たいとか、そういうのが強まっているんじゃないかな」。キャンプは早出を欠かさず攻守を磨き、筋力トレーニングで肉体もビルドアップさせて好結果につなげた。

実は金本監督時代の17年もキャンプMVPに選ばれた。だがシーズンは不振で散々。北條は言った。「2年前は僕の甘いところがいっぱいあった。その経験もあるしこれからが本番。シーズンがダメなら意味がないので、もっと頑張ります!」。目標は開幕スタメンだけでなく、好調キープで1年間遊撃を守り抜くこと。心身ともにたくましさを増した7年目、大ブレークの予感だ。【松井清員】

 

◆阪神遊撃争い 実戦5割超えでキャンプMVPの北條が頭ひとつ抜け出した。ただ遊撃再奪取を目指す鳥谷の決意も並々ならぬものがあり、ベテランらしく開幕を逆算して状態を上げてくるとみられる。また、内野4カ所どこでもOKのスーパールーキー木浪も控え、新主将糸原も遊撃を守れることから、最終的な勝負は3月のオープン戦にもつれ込む見込み。1打席1打席の結果が重くなりそうだ。