ヤクルト塩見泰隆外野手(26)が、去年の悔しさを胸に東京ドームのグラウンドに立つ。1日、神宮球場で行われたオープン戦巨人戦に向けた全体練習に参加した。

何もできなかった腹立たしさを、ぶつける時がきた。昨年10月14日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ巨人戦の第2戦、先発菅野にノーヒットノーランを喫し敗退が決定した。プロ1年目の塩見はベンチ入りしていたものの、出番なし。「(自分の)力がなくて、ただベンチにずっといて見ているだけだった」。強烈な菅野のイメージだけが残った。2日巨人戦は主力が先発する予定だが、途中出場で菅野と対戦する可能性もある。「出場機会があったら、去年の悔しい思いを晴らしたい」と力を込めた。

2年目の成長を見せる。浦添キャンプでは、対外試合全8試合にスタメン出場し、うち6試合で1番を任された。7試合連続安打を放つなど打率は3割5分7厘を残したが1打席、1試合にかける気持ちが強く、驚きの表情で「そんなに打ちましたっけ!?」と振り返る。ボールの見極めを意識し、2ストライクに追い込まれてから粘ることが、結果につながっている。実戦を経て「去年よりも、確実に見極められている」と手応えをつかんだ。小川監督も「(キャンプで)結果を含めて考えると、目立っていた」と名前を挙げる躍進だった。「1試合1試合が勝負」という覚悟で、打席に向かう。【保坂恭子】