人的補償対決が実現した。西武内海哲也投手は2回2死の場面で、打席に広島長野久義外野手を迎えた。「真剣勝負を楽しみたい。できればランナーなしでやりたいですね。余計なことは気にしないで。思いっきり投げたいと思う」と望んでいた通り走者なしで迎えた。

初球、内角132キロのフォークでストライクをとると、2球目も内角をついた。ファウルをはさみ1-2と追い込むと、スライダーを引っかけさせて三ゴロに打ち取った。

苦笑いの長野に指をさして、ニヤリ。試合前練習では、西武ベンチ裏で再会した。握手をかわしながら、長野から「何を投げるんですか?」と先制“口”撃を受けていたが、緩急を使い分けた配球で直接対決を制した。「中途半端だとホームラン持ってかれる。メディアのみなさんが喜ぶ展開になる可能性があったので、しっかり投げにいこうと思いました」と力を込めた。

オープン戦開幕投手を託された内海は、2回まで完璧に抑えた。3回のマウンドにも上がり、8番会沢に左前安打を許したものの、続く野間を3-0から二ゴロで併殺に打ち取った。3回1安打無失点33球で初陣マウンドを降りた。