昨年右股関節の手術を受け、復活を目指すソフトバンクのデニス・サファテ投手(37)について4日、倉野投手コーチが信頼を口にした。

調整遅れが心配されているが「開幕に合わせて、必ずしも100%でなくてもいい。たとえ連投できなかったとしても、戦力と考えれば開幕メンバーに入る。みんなと一緒とは考えていない。他の投手よりアドバンテージはある」とコメント。これまでの実績も加味し、今後ある程度の内容を見せれば、万全でなくても開幕メンバーに入れる方針を明かした。

サファテは当初、6日西武戦での実戦復帰を目指していたが、状態が上がらないことで登板予定を変更。14、15日の巨人戦を目標に今週末にもシート打撃などの実戦形式を挟むことになった。巨人戦以降はオープン戦3試合程度に投げ、開幕に向かう青写真だ。2日にはヤフオクドームで、キャンプ後初めてブルペン入りも果たした。この日、投手練習に参加したサファテは「宮崎にいた時より良くなっている。調子はどんどん上がっている。早くゲームで投げたい。張り切りすぎても良くないので、時間をかけてやっていく」と前向きに話した。

手術前の17年は日本新の54セーブを挙げ、日本一を決めた日本シリーズ第6戦では3イニングを投げるフル回転だった。だが故障から1年ぶりとなるマウンドから数試合だけで、万全な状態に戻るとは首脳陣も考えてはいない。倉野コーチは「100(の状態)じゃないと入れないとは考えていない。戦力なのかどうかで判断する」と説明。並外れたポテンシャルに賭け、復調を待つ。【山本大地】

◆サファテの故障経過 昨年も開幕から抑えを務めたが、4月末に右股関節を手術。米国でのリハビリに時間を費やし、昨季は復帰できなかった。今年2月9日にに再来日し、10日に約10キロ体重が減った痩せた姿で宮崎キャンプに合流。同12日に初ブルペン入りした。同23日にフリー打撃に登板し、約10カ月ぶりに打者相手に投球。同26日にシート打撃に登板したが、調子が上がらず、打者9人に2安打3四球の内容だった。