魅惑のコントロールで開幕ローテ入りを決めた。西武のドラフト1位松本航投手(22=日体大)が9日、楽天戦でオープン戦初先発。西武から移籍した浅村を併殺、見逃し三振に封じ込めるなど、4回2安打無失点3奪三振と好投した。140キロ中盤の直球を軸にした安定感抜群の内容に辻発彦監督(60)は「予定している」と開幕ローテ入りを明言。多和田、内海、榎田とアクシデントが続いた先発陣の救世主となる。

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必殺の武器で惑わした。4回無死走者なし、松本航が浅村のバットを黙らせた。カウント1-2からの4球目。144キロ直球を外角低めに突き刺した。余裕を持って見逃させた瞬間、審判の右腕が上がった。三振。初回1死一塁からの併殺打に続き、1分間2300回転超の伸び上がる直球で斬り捨て「ちょっと外でしたね。でも低めに投げようと自分の意図通り投げられた」とうなずいた。

効果を増すためのイメージを植え付けていた。4回、浅村の後のブラッシュも外角低めカットボールで見逃し三振。「スライダーとカットは真っすぐの感覚で投げられた」と自在に操った。バッテリーを組んだ森も「とにかく制球が良かった。コントロールのいいイメージを審判につけられたから(見逃しに)すぐに腕が上がったと思う」と舌を巻くほど。3球以内で2ストライクに追い込んだのは打者14人中8度で、奪った3つの三振は全て見逃し。抜群の制球力とテンポで、有利な状況を作り続けた。

首脳陣の評価は制御不能なほど上昇した。圧倒的な内容に開幕ローテ入りを聞かれた辻監督は「予定している」と明言。「大したもんだよ。コースに投げられるし、バタバタしない。試合を作る力を持っている」とけが人などが多い先発陣の救世主として期待した。

次戦は中6日で16日の阪神戦(甲子園、午後1時開始)になる見込み。「何とか0に抑えられたのは収穫です。離脱しないようにしたいです」と開幕までの時間でさらに精度を上げていく。【島根純】