開幕2戦目へ前進だ! 阪神先発の岩貞祐太投手(27)が4回2安打無失点の快投で、登板が有力視される30日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)へ足固めした。

今季の本格導入を目指すカットボールを活用して3奪三振。硬い仕様となった甲子園のマウンドにも適応し、二塁を踏ませない投球で首脳陣の信頼を高めた。開幕ダッシュの命運を握る2戦目の抜てきへ、順調な仕上がりを印象づけた。

甲子園の球春到来を、岩貞の快投が告げた。真っさらなマウンドに立った1回。1番浅間を勝負球のスライダー、大田は内角を突くカットボールで2者連続の空振り三振を奪った。二塁を踏ませない安心感に、虎党は拍手の連続。それでも「結果を残すのは大前提。開幕後を見据えてやっている」と表情を引き締めた。

大きな収穫はカットボールだ。調子が上がらなかった昨季はカーブを代用することが多く、7勝10敗と負け越した。実用性を痛感した新しい引き出しは、直球に似た軌道で「詰まった当たりが多かった。まだまだ精度を上げたい」と手応え十分。新人時代からコンビを組む梅野も「キャッチャーとしても幅が広がる。それがあるから(直球が)有効になる」と歓迎する。

充実ぶりに合わせて、登板が有力視される開幕2戦目へも前進した。矢野監督は「これが普通。貯金してもらう投手になるためには、これが最低限のレベルだという気持ちでいってもらいたい。他の投手もいるけれど、サダが引っ張るぐらいの気持ちでやってもらいたい」とハードルを上げた。登板後は7~8回までを想定したブルペン投球も行い、直球の精度を確認。今季甲子園初戦の話題にも「考えなかった。アピールが必要な立場なので」と慢心はない。

硬めに仕上がったマウンドには沖縄・宜野座キャンプから適応を目指してきた。「結局は慣れなので。違和感はなかった」。3年ぶりの2桁勝利を目指す左腕は、現在地に満足しない。【松本航】