トヨタ自動車東日本(岩手)の1番打者、大谷龍太外野手(30=前沢)が流し打ちの強烈な本塁打をかっ飛ばした。米エンゼルス入りした大谷翔平投手(24=)の実兄だ。弟は目下リハビリ中だが、兄は一足早く指名打者として会心の本塁打を放った。

東日本大震災から8年となったこの日、試合前にはベンチ前に整列し、黙とうをささげた。迎えた3回1死だった。5球目の139キロ速球を捉えた打球は、ライナーで右中間スタンドに吸い込まれた。弟とは逆の右打ち打者は、流し打ちで今季公式戦1号とした。

6回にも三塁線に二塁打してチーム3安打中2本を放った。大敗の中、コーチ兼任でもあるだけに、文字通り先頭に立って、けん引した。

大谷は「三振でもいいと思って振った。押し込めたと思います。新人も入ってうかうかしてたら出られなくなりますから」と本塁打を振り返った。リハビリ中の弟については「もう日本を代表する選手ですからね。無理しないよう治して欲しいですね。長い野球人生ですから」と話していた。