阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が、オープン戦首位打者に躍り出た。

23日のオリックス戦で「1番二塁」で先発。2安打を放って打率は3割8分9厘となり、楽天島内に並んでトップに立った。最終戦となる24日の同カードで、阪神では05年赤星以来となる首位打者を狙う。

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快進撃を続ける木浪が快挙達成に近づいた。6回無死一塁から、オリックス東明のフォークを打ち返した。好機を広げる右前打。8回には2ストライクと追い込まれながら、沢田の高めに浮いたチェンジアップを左前に運んだ。「思い切り打った結果だと思います」。オープン戦で積み重ねた安打数は「21」。キャンプから勢いは止まらない。

ついに打率3割8分9厘に到達し、楽天島内に同率で並んでトップに立った。24日最終戦の結果次第では首位打者が確定。木浪自身は「まだシーズンじゃない。シーズンに入ってからが大事だと思います」と冷静に話すが、阪神では05年赤星以来、ルーキーに限れば初の快挙だ。

開幕1番スタメンへ、アピールポイントは打撃だけではない。この日はオープン戦で初めて「二塁」で先発出場した。一塁、遊撃、三塁と試合のたびにポジションが変わる。「難しいですけど、試合に出るために、どこで出てもいい準備をしています」。その頼もしさが木浪の武器だ。恩師である亜大・生田勉監督(52)は「外野もどこでも守れるし、器用です」と守備の安定性に太鼓判を押す。亜大時代は内野だけでなく、外野で試合に出場してもそつなく守備をこなしていた。矢野監督は、木浪のユーティリティーぶりをあらためて評価。「めちゃくちゃ助かるよ。はめやすいというか。打つ方も目立ってるけど。全ポジションやれるというのは、他の選手も生きやすいというか、そういうことにもなってくる。ありがたい」。二塁を守ったことで遊撃鳥谷との新二遊間コンビで選択肢も広げた。3月29日の開幕戦へ、木浪の活躍が光だ。【磯綾乃】

▼新人選手がオープン戦の首位打者となれば、ドラフト導入後では14年にロッテの井上晴哉が4割3分5厘で獲得したのが12球団唯一。木浪が首位打者となれば2人目となる。

▼阪神の選手がオープン戦首位打者となったのは、ドラフト制後では81年北村照文3割9分、05年赤星憲広3割9分7厘の2人。

▼木浪はオープン戦21安打。阪神の新人がオープン戦で20安打以上は、72年の望月充27安打以来47年ぶり。