直球に手応え十分だ。日本ハムのドラフト1位吉田輝星投手(18=金足農)が26日、イースタン・リーグのロッテ戦(ロッテ浦和)で2回を投げ、3安打1失点。最大の武器である直球はプロ入り最速となる148キロをマークし、3三振を奪った。次回は4月3日の同リーグ巨人戦(鎌ケ谷)で、初先発マウンドに上がる見込みとなった。

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迷いはなかった。吉田輝は自身の原点で攻め抜くと決めていた。2イニング、全33球のうち30球が直球。「直球勝負で打たれたらしょうがないという気持ちでいた。通用して良かった」。躍動感あるフォームから投じるスピンの効いたストレートで3奪三振。「この前(前回登板の19日ヤクルト戦)は投げ方がおかしいなとか、悩みながら投げていた。どんどん行けという感じで」と押した。

アクシデントにも動じなかった。7回先頭の松田に投じた3球目。カーブがすっぽ抜けてヘルメットを直撃した。危険球ではないと判断され退場は免れたが、審判団が集まって協議する不穏な空気。それでも「カーブが抜けただけ」と動揺することもなかった。

1学年上・安田との注目対決も直球2球で追い込んだ。「アクセントでワンバウンドでいこう」と狙ったスライダーが浮いて中前適時打は浴びたが、続く香月も直球で空振り三振。プロ入り最速となる148キロをマークした直球の印象は、強烈だった。

相手のマウンドには、調整登板の涌井が立っていた。ベンチから、その投球を注視した。「変化球でカウントがとれたり、決め球の変化球が低めにいっていたり、参考にしたいなと思う」と学んだ。

次回登板は4月3日の同巨人戦(鎌ケ谷)で3回を投げる予定。荒木2軍監督兼投手コーチは「今まででいちばん良かった。今日ぐらいの感じで投げられるのであれば先発で投げさせても」と示唆。初めて先発マウンドに上がる見込みとなった。巨人ファンであることを公言したこともある吉田輝にとっても、記念すべき一戦となりそう。「もっと直球の調子を上げていければいい。常時150キロくらい投げられるのが理想だなと思う」。直球にさらに磨きをかけ、ここからギアを上げていく。【山崎純一】