ヤクルトの高卒2年目村上宗隆内野手(19)が、29日阪神戦(京セラドーム大阪)で初の開幕スタメン出場を果たすことが決定した。

28日の全体練習前に、小川淳司監督(61)が明かした。高卒2年目での開幕スタメン出場は、64年高山忠克以来55年ぶりの快挙となる。背番号55を背負う“燕のゴジラ”が、恐怖の6番打者になる。

   ◇   ◇   ◇

開幕を待つがらんとしたスタンドへ、村上は打球を豪快に放り込んだ。試合会場の京セラドーム大阪で行われたフリー打撃。左腕の打撃投手から4本、右腕から5本。44スイング中9本の柵越え。右翼5階席へも2本飛ばし、コンディションの良さを見せつけた。「チームの日本一のため、1試合でも多く経験して、チームの一員として貢献したいという思いが強いです」と力強く話した。

全体練習前のミーティングで、小川監督の口から開幕スタメンのメンバーが発表された。プロ2年目にして、初めて名を連ね「しっかりチームに貢献してやろう」という思いが強くなった。高卒2年目の抜てきを決めた小川監督は「最初からすごい活躍をするのは、そう簡単ではない。プロ野球の第1歩として、開幕の緊張感の中で、自分らしさを出してほしい。成績は後からついてくる」と長い目での起用理由を明かした。

昨季セ・リーグ最高のチーム打率2割6分6厘を誇ったツバメ打線を、さらに強化する役割をオープン戦で4本塁打の村上が任された。石井琢打撃コーチからは「緊張すると思うけど、いい経験。小さくなることはない。大きくかまえて、若々しくやれ」と助言を送られた。

昨季はプロ初打席で初本塁打を放つ衝撃のデビュー。高卒2年目での開幕スタメンは、64年高山忠克以来“55”年ぶりとなるが、“燕のゴジラ”は「ミスしたりもすると思うけど、試合に出たら守備でも、打撃でも、走塁でも、声だしでも貢献したい」。ファンへどんなインパクトを与えるのか、ツバメの季節がやってくる。【保坂恭子】