広島ドラフト1位小園海斗内野手(18=報徳学園)が2日、ウエスタン・リーグ中日戦(由宇)に「1番遊撃」で先発し、公式戦デビューで初安打を放った。

本人が「ずっとライバルと思っていた」という根尾とプロの舞台で初対戦。3回の第2打席で中前打を放ち、8回は根尾の打球を好捕&好判断で三塁封殺。ライバルに安打を許さず、チームのピンチも救った。早期再昇格を狙う黄金新人が上々の再スタートを切った。

平日の由宇球場が沸いた。「1番遊撃」で先発出場した小園がデビュー戦から走攻守で輝いた。

打っては2打席目にプロ初安打をマーク。相手の隙を突く走塁でチャンスを広げた。終盤の守備では、ピンチでも冷静な状況判断で投手を助けた。「また(1軍に)呼んでもらえる機会があると思うので、そこに向かってやっていきたい」。18歳は力強く、そして確かな1歩を踏み出した。

いきなり中日ドラフト1位根尾との初対戦となった。「ずっとライバルと思っていた」という。試合前にはバックネット裏の室内で談笑。小園が「本当に軸がぶれないプレーはすごい。そこを意識してやっていきたい」と言えば、根尾も「守備練習も打撃練習も見させてもらいましたが、下半身が強くて、技術も高い。持っている」と返した。認め合う2人だがグラウンドに立てば別。二塁ベース付近でニアミスしても目も合わせなかった。

小園は1回の第1打席、左腕浜田智の前に空振り三振に倒れた。24日を最後に実戦から遠ざかり「球がしっかり見えていない」とブランクを痛感。それでも3回の第2打席では修正し、打撃カウントから外角球を拾って中前にはじき返した。「理想の打撃ができたんじゃないかなと思います」と自賛。左翼モヤがファンブルする間に二塁を奪った。

守備では根尾の安打をもぎ取った。1点リードの8回1死一、二塁で三遊間の当たりを逆シングルで捕球。「飛んだ瞬間に3つ(三塁)しかないなと。一瞬で判断できたので良かった」。素早く三塁へ送って封殺。ピンチの芽をつんだ。

一方の根尾は3打数無安打2三振、1失策も記録した。2人の初対戦はチームの勝利とともに小園に軍配が上がった。ただ2軍だけでなく、1軍でも同一リーグ。各球団だけでなく、球界の次代を担う2人のライバル物語は今、幕を開けたばかりだ。【前原淳】