宿敵の“ピンストライプ”をなぎ倒した。巨人テイラー・ヤングマン投手が阪神打線を8回無失点に封じ、2勝目を挙げた。来日最多の119球に「自分の投球を信じて投げ切れた」と納得顔だ。

縦じまのユニホームを前に興奮せずにはいられない。米国テキサス州出身だが、幼少期からレッドソックスの大ファン。ベーブ・ルースが生み出したヤンキースとの「伝統の一戦」はテレビにかじりついた。「マニー・ラミレス、デービッド・オルティズに憧れた。特別な一戦だね」と幼心に刻みつけてきた。

テキサス大オースティン校時代のライバルは元阪神バースの出身校、オクラホマ大だった。在籍した3年間は無敗で通した。ヤンキースタジアム…ではなく、甲子園でも来日後2戦2勝。「大歓声の中で投げられてうれしかったよ」と虎党の悲鳴が心地よかった。

外国人枠の関係で今日21日の3戦目に先発するメルセデスに代わって登録抹消の予定。「シーシー(メルセデス)にも活躍してもらって、投げるチャンスがきたら、いいピッチングをしたい」。好きな色は「オレンジ」と公言するナイスガイが、永遠のライバルを蹴散らした。【桑原幹久】