日本ハム大田泰示外野手(28)が描いた2本のアーチが、劇的勝利への伏線だった。1本目は6回。打ちあぐねていた古川の140キロ直球を打って同点3号ソロ。2本目は再び1点を追っていた8回。「真っすぐ一本狙い」で打席に立ち、ハーマンが投じた内角高め、見逃せばボールの146キロ直球を「がむしゃらに、いきました」と左翼席へ運んで同点4号ソロ。「勝ちにつながってうれしい」。起死回生の2連発は、昨年4月28日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来、自身3度目の大当たりとなった。

試合前には栗山監督から、信頼の証となる言葉をかけられた。「試合前に、タイシには話をしていた。これが決していいわけではなく、これが普通なんだ、と」。24日はプロ初の5安打で5打点。チームを大勝に導いた大活躍は決してまぐれではない。指揮官にとって大田が豪快なスイングで安打を重ねる姿は普通。1試合2本塁打も当然だ。

2試合連続の3安打もマークし、打率は3割6厘と跳ね上がった。「まだまだ先は長い。満足せず、1日1日。そこにこだわる」。まだ打線全体は乗り切れていいないが、苦しむ攻撃陣の光となっている。【木下大輔】