西武森友哉捕手(23)が驚異的な勝負強さで乱打戦での勝利をもたらした。取って取られて迎えた7回、山川の適時打で1点勝ち越し、なおも無死一、三塁。

カウント2-2から沢田の147キロを中前へはじき返した。球威ある直球に対し「真っすぐが(伸びて)きていたから、差されないことを意識した」。リードを2点に広げる貴重な適時打となった。

得点圏で迎えた4打席すべて、安打を記録した。その思考回路は状況によって変わる。第1打席の1死一、三塁。最悪でも進塁打が欲しい場面では「バットに当てることが第一。三振だけはダメ。バットに当たれば何かが起こる」と右方向へ運んだ。3回2死二塁の第2打席は、内にくるスライダーをフルスイング。当たり損なっても振れているから、左翼線へ飛んでいった。8回の内野安打を含め全方向に打ち分けて4安打3打点。得点圏打率は驚異の5割となった。

辻監督も「状況に応じた打撃ができる。そこが彼の素晴らしいところ。高打率につながっている」と絶賛。打率3割7分5厘で首位に立った森は「シーズン長い。まだ早いっす」と意に介さないが、チームは3連勝で借金返済。同率3位でAクラスに浮上した。【栗田成芳】