日本ハムがソフトバンク4回戦(札幌ドーム)で難攻不落のエース右腕に完敗した。相手先発の千賀の前に打線が沈黙。7回に中田翔内野手(30)の4号ソロで一矢報いたが、7回までに11三振を奪われ、要所も締められるなど攻略に至らなかった。これで3カード連続で初戦は黒星。勝率5割に再び逆戻りした。

   ◇   ◇   ◇

敗戦の中で、一番盛りあがったのは7回だった。中田のフルスイングが、ようやく千賀をとらえた。初球の124キロのスライダーを左中間スタンドへ運んだ。5試合ぶりの4号ソロが唯一の得点。打線全体では7回まで毎回の11三振を奪われ、数少ない好機も決定打は封じられた。主将は潔く、完敗を認めた。

中田 完璧にやられてしまった悔しさしかない。ピッチャーに申し訳ない。今日は手も足も出なかった。もちろん、悔しいですけど。それがチームの状況。現にチームも負けている。

難敵は進化を遂げていた。150キロ台中盤の直球に押され、お化けフォークには何度もバットが空を切らされた。1発を放っても、肌感覚で味わったすごさを、素直にたたえた。

中田 千賀も正直、去年よりすごいピッチャーになっている。(球速が)5、6キロ上がっている。今年からウエートだったり、けっこう取り入れているみたいだからね…聞いた話ではね。それを、ああやって試合に出せるのは、さすが。今日の千賀の球なら、ど真ん中でも打ち返せてもいない。打席に立っていて、脅威を感じる球だった。

日本を代表する右腕を打ち崩すのは、容易ではない。ただ、シーズンは長い。必ずリベンジのチャンスはやってくる。

中田 やられたままではダメ。チーム全体で、またミーティングとかで話し合って、何かを見つけられればいい。次はチームが1つになって、やり返したい。

主将はチームの思いを代弁した。悔しさを晴らす次の機会へ向けて、前を向いた。【木下大輔】