早大が延長戦の末、立大を倒し、優勝争いに踏みとどまった。初回に加藤雅樹外野手(4年=早実)の先制打で1点を奪った。

だが、2~10回のうち、5イニングで得点圏に走者を進めながら、あと1本が出なかった。4回に追い付かれたため、延長戦に入った。

11回、1死一、三塁で加藤が申告敬遠され、満塁。続く檜村篤史遊撃手(4年=木更津総合)が決勝の押し出し四球を選んだ。

勝つには勝ったが、15安打16残塁の拙攻だった。小宮山悟監督(53)は「はらわたが煮えくりかえってます。『点をやる』と言われているのに、断っている」と切り捨てた。

負ければ、V逸だった。これで勝ち点2。既に自力優勝は消えており、同3の慶大、明大を追う状況は変わらない。同監督は「1試合、1試合、成長はしていると思う。最終週の早慶戦でピークになるよう、指示を出している。課題を1つ1つつぶしながら、良い形で早慶戦を迎えられるようにしたい。首の皮1枚は変わらない。ミラクルが起きるかも知れないと思わせないと」と、チームを引き締めた。

主将の加藤は「投手に感謝しかありません。(点が入らない間は)『守りから』と声を掛け合いました。こういう苦しい試合を勝ちきったらチーム力になる。甲子園に行った時も、苦しみながら勝ち上がり、チーム力が上がりました」と、清宮(現日本ハム)らと戦った早実時代を引き合いに、前向きに話していた。