右手有鉤(ゆうこう)骨骨折で離脱していた日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が14日、イースタン・リーグのロッテ戦(鎌ケ谷)に「3番DH」でスタメン出場し、実戦に復帰した。

三邪飛、捕邪飛の2打数無安打に終わったが、完全復活への第1歩を踏み出した。15日同戦(同)も出場予定。課題に挙げた「試合勘」「投手との間合い」を克服し、早期の1軍昇格を目指す。

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打者の本能だった。1回1死二塁。復帰打席の初球を、清宮はフルスイングした。「狙いとは違ったけど、(バットが)自然に出ていた」。138キロの直球を打ち上げ、結果は三邪飛。それでも試合後「楽しかったです」とにこやかに振り返った。

4回の2打席目も捕邪飛に倒れ、2打数無安打。「もう少しキレのあるスイングができれば…」。2カ月半ぶりの実戦出場にブランクは感じる。だが一方で、体幹トレーニングや下半身強化に費やしたリハビリの日々を「普段、取り組めないことに取り組めた。いい期間だった。(故障前と比べ)120%で戻れているかなと思う」と、無駄にはしなかった。

復帰を目前に控えていた午前中、エンゼルス大谷が「復活1号」を放ったニュースを聞いた。「比べものにもならないけど、大谷さんがケガから復帰して、そういうところは同じだと思う」。試合中は、同期のロッテ安田が、バックスクリーン右へたたき込んだ本塁打もベンチで見た。「すごかったですね」。すべてが、完全復活へ向けた発奮材料になる。

15日同戦(同)もDHで出場予定。「しっかりとここ(2軍)で経験して、1軍の舞台でやれれば。試合勘とか投手との間合いは不慣れな部分があるので、そこを詰めていければ」。休めていた羽を広げ、大空に羽ばたくときが近づいている。【本間翼】