左右のほおにも、粒状の汗がたっぷりと浮き上がった。巨人菅野の127球目。147 キロ の低め速球を、4番大山に左翼席上段のバルコニー席まで運ばれた。13年のプロ入り後、通算162試合目で初の2ケタ失点となる自己ワーストの10失点(自責7)。6回5失点だった前回登板に続く大量失点に「しっかり現実を受け止めて、またやるしかないです」と言った。

試合開始直後から、高めに浮いたボールを次々にとらえられた。1回は糸井に先制2ランを許すなど、2回までに8安打5失点。原監督は「少し頭の中は正常ではないでしょう。誰にでも壁、ヤマというのは来る。それを乗り越えないといけない。現実にこういう形になっている。直視しないといけない」と指摘した。

試合の主導権を握られる中、打者としては4回2死三塁から遊撃へのゴロで一塁へ全力疾走。リクエストでセーフに覆り、適時内野安打で1点差に迫った。激走で流れを呼び戻したかに見えたが、5回に福留にソロ、6回は木浪、大山に本塁打を許した。原監督は「流れがいい感じにきたところありましたけど、6点目、7点目ですね」と中盤の失点を分岐点に挙げた。

菅野が1試合4本塁打を浴びるのはプロ入り初で、今季の被本塁打13本は12球団ワースト。昨季は28試合で14本だったが、わずか8試合であと1本まで迫る。「チームに申し訳ないですし、ただの1敗にしてはいけない。今後の野球人生の糧にしたい」と言った。防御率は4・36まで後退。チームも今季ワーストの13失点で、初の4連敗を喫した。【前田祐輔】