ヤクルト青木宣親外野手(37)が史上126人目となるNPB通算1500安打に到達した。阪神戦の7回、藤川から左前打を放った。通算1156試合目での達成は、11年の楽天松井稼頭央(現西武2軍監督)の1233試合を抜いて史上最速。9回には1点差に迫る中前適時打も放ち、開幕から打線をけん引している。

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逆らわずに流した。7回1死一塁の第4打席、青木は追い込まれてから藤川の外角フォークを三遊間に転がした。一塁上で球団マスコットつば九郎から祝福の記念ボードを渡されると、ヘルメットを脱いで一礼。通算1500安打に「正直なところ、あまり思うところはなかったですけど、節目の数字を達成できたというのはキャリアの中でいいこと」とうなずいた。

直近2戦は足踏みしたものの、1156試合目での到達は史上最速。振り返れば15年前の10月、初安打も阪神戦(神宮)だった。「1本目は安藤さんから。順位も確定した後の消化試合だったけど、自分にとってはすごく大事な試合だった」。米アストロズ時代の17年には日米通算で2000安打をクリア。快音を重ねるほどに増える節目の記憶が、また1つ加わった。

37歳。日本球界復帰2年目の目標を「最年長首位打者」に置く。昨季はリーグ4位だった。過去には大洋ミヤーン(79年)巨人クロマティ(89年)楽天リック(08年)が36歳シーズンで同タイトルを獲得している。今季有言実行となれば新たに球史に名が刻まれる。

開幕から打率3割前後をキープし、夢より現実に近い。7連敗と苦しいチーム状況で「何とかしたい気持ちだけ。いい試合はしている。あと1歩。流れを引き寄せられるように」。その一心が9回に中前適時打を呼んだ。「いいところも、悪いところも、明日以降に生かさないと」。勝ちたい「今」を積み重ねた先に、さらなる記録が待っている。【鎌田良美】

 

▼通算1500安打=青木(ヤクルト) 22日の阪神11回戦(甲子園)の7回、藤川から左前打で達成。プロ野球126人目。初安打は04年10月6日の阪神25回戦(神宮)で安藤から。1156試合で達成は、青木同様にメジャーから日本球界へ復帰後の11年に達成した松井(楽天)の1233試合を抜く史上最速。ちなみに青木は17年に日米通算2000安打を1678試合で達成しており、これはイチロー(マリナーズ)1465試合、川上(巨人)1646試合に次ぐ3位のペースだった。