楽天の高卒4年目捕手、堀内謙伍が初めて本拠地お立ち台に上がった。「緊張しすぎて、何をしゃべっていいか…」。試合では肝が据わっていた。先制された直後の2回に連続四球で2死満塁となり、初球の直球を中前へ2点適時打。「変化球は仕方ない。腹をくくりました」。指揮官が好んで使うフレーズが口を突いて出た。守っても先発石橋から守護神松井まで年上の5投手を懸命にリード。ソロ1本の1失点でしのいだ。

日本代表でも主軸を担った高校時代には、今春東京6大学リーグタイ記録の5試合連続本塁打を放った法大・安本らと3者連続アーチの離れ業を記録したことも。2軍監督時代から指導し「(嶋)基宏の年齢を考えると次の捕手も大事」と話す平石監督も目を細める。「プレー、発言、考え方…。試合を支配し、皆から信頼を得なければいけない捕手としては少し軽く見えるところもあったが成長している。星野(仙一)さんも『こいつを何とかせな』と、ずっと言ってましたから」。今季マスクをかぶった4試合全て白星。本人も「嶋さんに早く近づきたい」と貪欲だ。【亀山泰宏】