3連敗中の広島を九里が救った。ソフトバンクを5回2失点に抑え2勝目を挙げ、交流戦最下位を脱出。

1点リードの5回2死二、三塁ではグラシアルを低め直球で一邪飛に仕留めた。「1人ずつアウトを取ることを考えた」。緒方監督は「伝わってくるものはあった。ちょっと力入りすぎの部分も感じたけどね」と、次戦も先発で使う考えを示した。

8試合ぶりの先発だった。開幕ローテ入りしながら4戦で3敗し、4月30日に出場選手登録を抹消された。5月10日の復帰後は中継ぎに配置転換。先発再転向でも力を発揮できた要因は、全身のウエートトレーニングの継続だ。「先発も中継ぎも関係ない。1年間やると決めたんで」。ウエートトレを避ける投手もいる中、自分流のやり方でタフな肉体をつくってきた。

打席でも執念を見せた。3回先頭で一ゴロに倒れたが、ファウルで8球粘り、松本に13球投げさせスタミナを奪った。「簡単にアウトになりたくなかった」。昨年日本シリーズから6連敗中だった相手に一矢報いた意味は大きい。万能右腕が交流戦巻き返しのきっかけをつくった。【村野森】