東海大の左腕・松山仁彦投手(3年=東邦)が、快投でチームを準々決勝進出に導いた。

先発投手の調子が芳しくなく、3回から救援。2死後に安打を許したが、そこからは独壇場だった。制球重視で140キロ弱に抑えた直球と、3種類の変化球が次々にコーナーに決まる。「自分でもしびれるくらいでした」という快投は、回を追ってもペースが落ちない。

打線の援護がなく、10回と11回はタイブレークになったが、そこも無失点に封じた。結局3回2死から11回まで、28打者連続でヒットを許さなかった。リリーフで9回を投げ、1安打2四球(うち1つは申告敬遠)、14奪三振無失点の完璧な投球。「(捕手の)海野さんの配球も良くて、三振もたくさん奪えました」と振り返った。

1回戦の立命大戦では、先発した右腕・山崎伊織投手(3年=明石商)が7回途中3失点で降板も、自己最速153キロをマーク。山崎の後を受けた右腕・小郷賢人投手(3年=関西)も150キロを投げた。「とてもいいと思います」と松山も胸を張る豪華投手陣。「自分の後ろにとてもいい投手がいるので、気持ちが楽になりますね」と笑う。

熱投は報われ、タイブレークの11回に藤井健平外野手(4年=大阪桐蔭)のサヨナラ打が飛び出し、チーム全員ではしゃいだ。「この後もチーム一丸を貫き通していきたいと思います」と松山。13日は左右2枚看板を擁する大商大(関西6大学)と準々決勝を戦う。