西武のドラフト1位、松本航投手が甲子園でリベンジを果たした。初回に先制点を与える立ち上がりも、2回以降は無失点。

「スライダーで緩急を使えたのがよかった」。3回、4番大山をカウント2-2からスライダーで空振り三振。得点圏に走者を背負っても追加点は与えず、5回5安打1失点。プロ3勝目を挙げ「なんとか粘って投げることができたのはよかった」とホッとした表情をみせた。

3カ月前に同じマウンドで受けたプロの洗礼を、忘れていなかった。オープン戦で3回途中7失点でKO。さらに直後から発熱を繰り返し、肺炎で開幕から出遅れた。苦い記憶を思い出しながら「リベンジの気持ちで臨めた。地元(明石)と同じ兵庫で打たれていた。そのリベンジの気持ちだった」。20年前の99年、西武ドラフト1位の大先輩、松坂が口にした「リベンジ」という言葉を繰り返し、やられた分、やり返した。

スタンドには両親ら家族を招待。京セラドーム大阪での初勝利に続き、地元関西では2連勝を飾った。リーグ順位は5月31日以来約3週間ぶりに3位浮上。辻監督も「よく我慢して投げたよ」と目を細めた。松本航は「今日も5回。次はもう少し投げられるようにしたい」と成長曲線を伸ばした。【栗田成芳】