今秋のドラフト候補、BC新潟の長谷川凌汰投手(23)が完璧な投球でアピールした。巨人3軍を相手に5回から2番手で登板し、2イニングを1人の走者も出さず、6回は三者三振に仕留めるなど5奪三振。最速は150キロをマークした。スカウト陣も見守る中、実力を披露した。試合は0-1で敗れた。

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圧巻の奪三振ショーだった。長谷川は巨人3軍打線を寄せ付けなかった。先発の前川哲投手(23)に続いて5回から登板。「救援で投げるときはすべて三振を狙っている」。簡単に2死を取った後、巨人の3番村上海斗外野手(23)の初球に、ネット裏のスピードガンでこの日最速の150キロをマーク。村上をフォークで三振に取ったのを皮切りに、6回まで4者連続三振。2イニング計19球で悠然とマウンドを降りた。

打者6人中5人が三振で、そのうち見逃しは1つだけ。ネット裏にはDeNA、オリックスのスカウトが陣取った。オリックスの内匠政博スカウト(51)は「速球でも変化球でも三振を取った。BCリーグではNO・1の投手」と評価した。長谷川も「3軍相手に打たれるようでは上では通用しない」とプロの目を意識。自己最速の153キロには届かなかったが、十分なインパクトを与えた。清水章夫監督(43)は「投げっぷりが良かった」。内容が伴った投球に合格点を出した。

先発予定だった前日29日は雨のため中止。その時点で救援登板が決まっていた。この試合も雨のため開始時間が1時間遅れた。2回に入る前には11分間の中断もあった。それでも「登板直前にスイッチを入れた」と集中は途切れなかった。今季は先発中心でここまで3勝(1敗)。一方、昨年の前期は救援が中心だったように、どちらでも対応できる。「両方できるところは見てもらえたと思う」。秋のドラフトを見据え、堂々と実力の一端を披露した。【斎藤慎一郎】