阪神石崎剛投手(28)とロッテ高野圭佑投手(27)の交換トレードが合意に達し、4日にも発表されることが分かった。後半戦に向けて救援陣を強化したい両球団の思惑が一致した。阪神にとっては矢野新体制で初めてのトレードを敢行。ロッテもリリーフ陣が不安定で、18年侍ジャパンメンバーの石崎に白羽の矢を立てた。両チームともに上位進出を果たすためにも、起爆剤にしたいところだ。

矢野阪神が後半戦に向けて積極補強を敢行した。チームの命綱であるリリーフ陣を強化すべくトレードに乗り出した。ロッテ4年目の高野は150キロ前後の速球やスライダー、フォークなどを用いて救援一筋で41試合に登板。昨季は17戦に投げた経験に加え、27歳の若さも判断材料になった。

チームは6月の交流戦でジョンソンがコンディション不良のため2軍降格すると、救援陣がフル回転し、不安定な状況に陥った。球団首脳は「調査するのは当然のことです。トレードは期限までは考えます」と話していた。安定した戦いを進めるためにも、リリーフの一層の充実は不可欠だった。投げっぷりの良さが売りの右腕獲得を決めた。

チームは下降線をたどっており、攻めの補強を行った。新外国人の有力候補としてヤンガービス・ソラルテ内野手(32=マーリンズ傘下)の獲得を検討していることも判明。得点力不足を補う助っ人取りを目指す一方で、投手陣の整備も怠らない。昨年10月中旬の矢野燿大監督就任後、初めてのトレードにこぎつけた。

ロッテは剛腕タイプを国内市場に求め、リリーフ投手を調査。石崎は理想的な存在の1人だろう。150キロを超える速球がセールスポイントのパワーアームで補強ポイントに一致していた。17年には26試合に登板して防御率1・17の好成績を残して、18年春には侍ジャパンのメンバーに選出されるなど、頭角を現した。今季は1軍戦2試合登板にとどまるが、実力を評価されている。手薄な救援陣の一角として期待は大きい。

両球団ともにスカウトを現地に派遣し、調査を重ねていた。2日にロッテの編成担当が2軍オリックス戦(雨天中止)の視察に訪れたほか、3日には阪神の編成担当も埼玉・浦和に足を運び、ロッテ2軍戦をチェック。入念に検討し、両球団の思惑が合致した。阪神は3位タイ、ロッテは5位に甘んじ、両軍ともシーズンを負け越している状況。新たな戦力を加え、後半戦での上位進出の起爆剤にしたいところだ。