ロッテから阪神に移籍することとなった高野圭佑投手(27)は3年目の昨季、全て中継ぎで自己最多の17試合に登板し防御率4・15の成績を残した。10月に登板した4試合では5回を投げ無失点といい形でシーズンを終えた。そんな中迎えた今季。期待を込められ、開幕1軍の切符を手にした。

開幕1軍メンバーが参加した3月21日、千葉・幕張のホテルで行われた出陣式では、今年の目標として色紙に「要」と書き込んだ…つもりだった。「しっかり投げて、ピッチャーの要になれるように頑張ります。えっ?(色紙の)持ち方がおかしいですか?」。色紙を持った左手をずらすと不自然に小さく書かれた「潤」の文字が。

「俳優の要潤さんのことかと思うのですが、僕が書いた訳ではないんですよ。たぶんいたずらされたんですけど、犯人は…」と前に座る涌井に視線を落とした。とまどいながらも「俳優の要潤さんのようにクールでかっこいいピッチングもできるように頑張ります」と対応力を見せ、笑いに変えた。

シーズンが始まると開幕2戦目、3戦目に連投。3戦目の3月31日の楽天戦で2本塁打を浴びるなど1回2失点で登録抹消となった。2軍降格後は4月12日のイースタン・リーグ日本ハム戦で打球が頭部に直撃し緊急搬送されるアクシデントに見舞われたが、幸いボールは帽子のつばに当たっており、大事に至らず。5月6日の日本ハム戦で実戦復帰を果たしてからは12試合で防御率2・79と本来の調子を取り戻していた。