日本ハムが本塁打攻勢で、前へ前へと進んだ。初回、4番中田が先制の18号2ランを放つと3回には2番杉谷が4号ソロ。続く3番近藤が2打席連続で四球を選んで出塁し、再び中田が19号2ランを左中間へ運んだ。3回までに3発5得点で、4連勝へ向けて一気に前進した。

試合前、ZOZOマリンでは大量発生したトンボがグラウンドに群がっていた。栗山監督は「トンボって勝ち虫。前にしか飛ばない、後ろに下がらないということで戦国武将も好んで使っていたよね」と敵地ながら、不思議とテンションが上がっていた。

首位ソフトバンクが交流戦明けから一気に勝ち進む中で、日本ハムも前カードの楽天戦は3連勝と必死に食らいついて6差ながら2位に浮上。「どうやったらホークスに追いつけるか。それしか考えていない」。

前半戦残り3試合も前のめりな総力戦を青写真で描いていたところに現れたトンボは、覚悟を後押ししてくれた。振り返れば、日本一を達成した16年も前半戦は2位でフィニッシュ。首位ソフトバンクとは6差だった。覇権奪回へ、あの時と同じように、前へ前へと進むだけだ。【木下大輔】