阪神西勇輝投手(28)が6回6安打3失点と試合を作ったが、約2カ月ぶりの白星はならなかった。親交のある巨人菅野と初対戦。粘り強い投球で宿敵のエースに対抗した。

菅野が力強い直球を投げ込むたびに、西は緻密なコントロールを見せた。「なんとかまとめられた。坂本もシーズン中、しっかり自分のピッチングを見ていてくれたと思うし、ポイントを引き出してくれて、押すところは押していけた」。初回2死一、二塁で1点を失ったが、2回は下位打線を3者凡退。直後の女房役坂本の同点本塁打を呼び込んだ。

それでも勝利への壁は高かった。1点リードで迎えた4回2死二塁、打席に立ったのは菅野だった。スライダー2球で追い込むも、3球目の真ん中に入った直球を捉えられ、同点の中越え二塁打を許した。

西にとって1歳上の菅野は師匠とも呼べる存在だ。始まりは15年11月。2人は侍ジャパンに選出され、プレミア12に出場。親交を深めた。16年オフから4年連続で、菅野が行う米ハワイでの自主トレに参加。阪神に移籍し、同じリーグとなった今オフも、約1カ月間汗を流した。これまで菅野からは、さまざまなアドバイスを受け実践してきた。 防御率2・87ながら、5月10日の中日戦(甲子園)以来勝ち星が遠ざかる。それでも下は向かない。「最低限はできたかなと思う。坂本のリードが光ったと思う」。最後まで仲間の好プレーをねぎらった。【磯綾乃】