巨人坂本勇人内野手(30)が、2冠で前半戦を締めた。2点リードの2回2死満塁から2点適時打を放ち、今季63打点目をマーク。ヤクルト村上に並び打点トップに浮上し、DeNAソトと並びトップの本塁打とともに2冠とした。チームは今季4度目の同一カード3連勝で、9連戦を8勝1敗で終了。貯金を今季最多の17とし、2位との差は9・5ゲームの独走状態で折り返した。

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盛り上がるベンチに向かって、坂本勇は一塁ベース上でガッツポーズで応えた。2点リードの2回2死満塁、阪神メッセンジャーの直球を中前にはじき返し、2点適時打でリードを広げた。「みんながつないでくれたチャンスで打てて良かったです」。自身12打席ぶりの一打で流れを完全に引き寄せ、今季4度目の同一カード3連勝を決めた。

今季63打点目をマークし、打点トップだったヤクルト村上に並んだ。DeNAソトと1位タイの本塁打とともに2冠に浮上。9回の右前打でマルチ安打とし、安打数も97の単独トップで前半戦を終了した。「(打点は)亀さんがつないでくれるので。ケガしないことが一番大事。今のところ大丈夫なので、継続していきたいです」と話した。

今月、コンディション強化へ、秘密兵器が導入された。元マリナーズ・イチロー氏ら多くの一流アスリートが実践する「初動負荷トレーニング」の器具を東京ドーム内に設置。理にかなった筋肉の動きが得られ、筋肉の疲労回復にも効果があるといわれるトレーニングで、坂本勇は「すごくいいです」と日々の練習で取り入れ、効果を実感する。

海の向こうからは、刺激的なニュースも届いた。小学生の時に同じチームでプレーし、バッテリーを組んだヤンキース田中がメジャーの球宴で日本人初の快挙となる白星を挙げた。「小学生の時から一緒にやってきた将大が、メジャーのオールスターで白星を挙げたのはすごいことですし、誇りに思います」と心に刻み、自らも奮い立った。

チームは9連戦を8勝1敗と勝ちまくって、前半戦を最高の形で締めた。貯金を今季最多の17とし、2位を今季最大差の9・5ゲームと引き離した。「ピッチャーもバッターもいい流れできているので、後半戦も継続していきたいです」。5年ぶりの優勝に向け、主将の坂本勇がバットでも背中でもチームを引っ張る。【久保賢吾】